お子さんを複数持つご家庭の悩みに「兄弟げんか」が挙げられます。
どっちの味方をするのが良いのか、対応が分からなくなりますよね。
当記事ではその兄弟げんかという問題について対策を考えてみます。
- 複数のお子さんをお持ちの方
- 子供の兄弟喧嘩にイライラしている方
- 問題解決の手法を学びたい方
子育て世代ではよくある事ですが、親として悩んでしまいますよね。
メンタルヘルスやいくつかの論文なども織り込みながら、その対策を検討していきます。
問題解決の手順や陥りやすい注意点はこちらの記事に記載してあります。
まず、こちらに目を通していただけると、当記事の内容も理解しやすいと思います。
先に結論を以下に示します。
それではこれらの解を求めるために、順序立てて説明していきますね。
- 兄弟喧嘩の根本原因は親が無意識に差別しているから
- 対策は孤独感を与えないことが大切
- 対策①遊ぶときは兄弟で平等に
- 対策②「愛している」と言葉で伝える
- 対策③上の子であっても、甘えを受け入れる
- 対策④兄弟で比較しない
問題の明確化(What)
兄弟の子育てでの悩み
パパママの悩みとして、取り上げられることが多いのが「兄弟喧嘩」です。
様々なサイトで子育てにおける悩みの上位として、ランクインされていることからその対応の難しさが伺えます。
そもそも、兄弟喧嘩をしないというご家庭はあるのでしょうか?
年の差や性別、その子の性格によって、大小はあるものの喧嘩は起きてしまうものです。
兄弟喧嘩の必要性
まず、そもそも兄弟喧嘩は問題なのか?という点を考えてみます。
親にとってはイライラするものですが、子供が成長する上で欠かせない過程であると私は思います。
以下の記事でも、「社会性を磨く」、「ストレス発散」、「考える機会」などメリットがあることが示されています。このことを知っておくと、気が楽になるかもしれませんね。
とは言え、兄弟喧嘩は度が行き過ぎると、怪我につながることもあるので、注意しなければなりません。親の目の届かないところでネチネチといじめるような行為は特に対策が必要です。
幼い頃に受けた心的ストレスは「トラウマ」として、その後の人生に重くのしかかる可能性もあります。
そのため、親として取り組める対策を知っておくことは大切です。
そこで、当記事では「兄弟喧嘩の対策」について考えていきます。
問題箇所の特定(Where)
では、兄弟喧嘩の問題はどこにあるでしょうか?
ここで子供の心理面についてアプローチしていきます。
兄弟で一緒に生活していても、子供は心のどこかでこんな感情を抱いています。
自分の欲しいものを手に入れたい
自分の方がちょっと得したい
少なくとも、損はしたくない
(参照:伸芽会)
いずれも相手より、優位に立ちたいという感情です。大人も少なからず、抱いていると思います。
この感情が進んでいくと、次第にイライラが募ります。
- このおもちゃは僕が遊んでいたんだぞ!!
- お兄ちゃんの方が多くてずるい!
- なんで弟ばかり、食べさせてもらってるの?
優位に立ちたいという思いが強くなると、親のちょっとした行動が自分以外の兄弟を優遇しているように感じてしまうかもしれません。
その感情が喧嘩を引き起こす引き金、きっかけと言えそうですね。
原因の追究(Why)
では、つづいて兄弟喧嘩の根本原因を探ってみましょう。
先ほど示したように、「相手の優位に立ちたいこと」が影響していますので、この点を深堀していきます。
N5による解析
まずは、N5によって考えてみます。
N5とは「なぜ?」を5回繰り返し、真因を突き止めるという手法です。
優位に立ちたい理由についてなぜ?と考えてみたのが、下の図です。
大人でも不公平な扱いを受けると、その優遇されている相手に嫉妬や憎しみを感じると思います。
つまり、自分が差別されているという負の感情が相手より優位に立ちたいという気持ちを起こし、兄弟喧嘩につながると考えられます。
兄弟を平等に愛せる?
こんなことを言うと、多くの親は「兄弟平等に愛している!」、と言われるかもしれませんが、こんな研究結果があります。
複数の子供を持つ両親に対して行った調査結果を示します。
Mumsnetユーザー(両親)のほぼ4分の1(23%)、複数の孫を持つGransnetユーザー(祖父母)の42%がお気に入りの子供がいることを認めました。
参照:MUMSNET
また、別の調査結果でも以下のように言われています。
父親の70%と母親の74%は、「子供にひいきしたことがある」と研究者に告白しました。
参照:The CUT
比率は大きく異なりますが、それでも自分の子供に対して、ひいきしたことがある親は7割ほどいることがわかります。
ここからは私の推測ですが、無意識のうちにそのような扱いをしている方はさらに多いのではないでしょうか?おそらく、9割程度の親御さんはひいきしてしまっていると考えています。
人間は自分にとって良いことよりも、悪いことの方が印象に残ります。
1回でもひいきされた、と感じるとその感情は大きく膨らみ、優位に立つために喧嘩を引き起こすという負のスパイラルに陥ってしまいます。
そのため、親が兄弟を平等に扱えないことが大きな要因と考えられます。
ロジックツリーによる解析
では、無意識のうちに平等に扱えない理由をさらに深堀してみます。
ここではロジックツリーでその心理面から原因をいくつか挙げていきます。
この解は極端かもしれませんが、親は無意識のうちにそのように扱ってしまうそうです。
こうなってくると、上の子は孤独感を感じると思います。
ここで出てきた孤独感は注意が必要です。
子供の自己肯定感を下げてしまうので、感情的な子供になってしまいます。結果として喧嘩を引き起こしやすくなってしまうんですよね。
以上のことから、兄弟喧嘩の対策として平等に愛されていると感じてもらい、子供が孤独感を感じないようにすることが大切だと考えられます。
解決案の立案(How)
では、「孤独感を与えないこと」を中心に対策をいくつか挙げてみます。
対策①兄弟両方と遊ぶ
あたり前だろ!!と思うでしょうけど、親が1人で子供2人を見る場合などでは、親はどうしても年齢が低い子を面倒みると思います。
これは意識していなくても「兄弟で差別している」と言えるかもしれません。
そんな場合でも上の子を一人にしない工夫が大切です。
- 2人とも視野に入る位置に立つ
- 交互に話しかける、一緒に遊ぶ
- 2人からの要求は両方とも叶える
大人であっても、孤独は大きなストレスになります。子供は特に寂しがり屋なのでみんなで遊ぶ際も、孤独感を感じないように工夫していきましょう。
対策②「愛している」と伝える
ストレートに「愛している」と伝えることも孤独感を与えないという点に対しては有効です。
大人同士であっても、言葉にしないと相手に意志が伝わらないことはありますよね。子供であれば、なおさらです。
少し恥ずかしいと感じるかもしれませんが、こういった親の言葉が子供の心にとっては一番の栄養です。
素直に「愛している」と、親の愛情を伝えてみてはいかがでしょうか?
こちらの記事でも声掛けのやり方は伝えていますが、「愛してる、ありがとう、ごめんなさい、許してください」の4つの言葉は有効だと思いますよ。
対策③赤ちゃん返りを受け入れる
仮に親が完璧に平等に愛していても、上の子としては下の子が生まれてきたら、どう思うでしょうか?
おそらく、親の愛を奪う邪魔者として認識するでしょう。
そのため、親の気を引くために赤ちゃん返りになるのです。
その甘えを受け入れないと、ここでも孤独感を感じてしまい、結果として兄弟喧嘩に発展してしまいます。
大変だ…と感じるかもしれませんが、上の子の甘えを受け入れることも兄弟喧嘩を予防する対策と考えられます。
対策④兄弟で比較しない
最後の4つ目、これは最も重要です。特に小学校になると、学力で比較しがちですが、その子の向き不向きを見極めるのは育児における最も大切な視点だと私は思います。
- お兄ちゃんは○○歳で文字を書いていたよ
- ◇◇ちゃん(弟)はお兄ちゃんより早く、しゃべれるようになったね。
「お兄ちゃんは・・・」「下の子の場合は・・・」などとつい言ってしまいますが、この言葉は兄弟間の差別を生み出してしまいます。
この差別が子供の自己肯定感を下げることに繋がるのです。
たとえ、親同士の会話であっても子供の前では控えましょう。
仲良し兄弟のために
当記事では兄弟喧嘩の対策という問題を考えてみました。
- 兄弟喧嘩の根本原因は親が無意識に差別しているから
- 対策は孤独感を与えないことが大切
- 対策①遊ぶときは兄弟で平等に
- 対策②「愛している」と言葉で伝える
- 対策③上の子であっても、甘えを受け入れる
- 対策④兄弟で比較しない
親は子供を平等に愛すことが難しいので、今回は孤独感を与えない方法として対策を考えました。
この他にも一般的に言われているように「仲の良いときに褒める」、「喧嘩の最中に親が介入しない」といった方法も兄弟喧嘩の対策として有効と考えられます。
いくつか案を出しましたが、お子さんの性格や性別、各御家庭の環境によって効果は変わると思います。
もし、兄弟喧嘩にお困りなら、試してみてくださいね。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
そんな皆さんに感謝いたします。
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