子供が成長してくると、会話でコミュニケーションを取る機会も増えてきます。
発達のためにも、その時の言葉選びは非常に大切です。
特に幼児には、出来るだけ具体的な表現で会話した方が意図が伝わり、親子ともにストレスを避けることができます。
本記事では具体性のある言葉の大切さと避けたいNGワードを紹介していきます。
会社で部下へのコーチングスキルを学んだ私が日々、使いがちな抽象的表現について触れていきます。
こんなお悩みを持っている方にに向けて記事を書きました。
- 子供の言う事が分かりにくい
- 子供が思ったように動いてくれない
- 子供とコミュニケーションが上手くいかない
なお、本記事では幼児向けの言葉の使い方として記載していますが、小学生以上のお子さんに対しても十分適用できますので、お付き合いください。
具体的な表現の必要性
日本語は難しい
そもそも、日本語は難しい言語と言われています。
日本語を90%以上理解するためには10000語を覚える必要があるようです。
フランス語は2000語、英語は3000語と言われているため、他の言語に比べると、難易度が高いことがわかりますね。
これは数多くの擬態語(「キラキラ」「チクチク」)が存在しており、それが原因の一つと言われています。
大人であれば、この擬態語をイメージできると思いますが、幼児では理解することも難しいかもしれません。
こういった曖昧な表現が良くも悪くも日本語の特徴であると言えるでしょう。
子供の語彙力は発達段階
子供は日々の生活の中で言葉を覚えていきます。
幼児の年齢別平均語彙数の目安を以下に載せます。
4歳→1,500語
5歳→2,000語
6歳→2,500語(参照:伸芽’sクラブ)
大人の10000語に比べると、少ないですよね。
語彙力が発達段階の子供には具体的な表現で話しかけないと、大人のお願いが伝わらないことも出てきます。
その結果、誤って解釈してしまい、上手くいかず、やる気を損ねてしまうこともあるでしょう。
抽象的表現は混乱を招く
曖昧に伝えても、子供には曖昧にしか伝わりません。
大人同士、特に気の合った知り合いであれば、何となく、意味合いが伝わってしまうものです。
しかし、子供に対してはそういった以心伝心は通用しません。
抽象的な表現でお願いしてしまうと、子供は「どうすればいいのかな?」と混乱してしまいます。
例えば、机の上にかごに入ったみかんが5つ置いてあるとします。
子供に「みかんを取って」と曖昧にお願いしても、
- 1つ取れば、いいのかな?
- 5つ全部かな?
- かごのまま持っていけばいいのかな?
と悩むでしょう。
そんな時は、「みかんを1つだけ取って」と具体的に表現してみましょう。
これであれば、子供は悩まずに1つ取ってくれますよね。
子供は親の表現を真似る
大人が曖昧な表現を使うと、それを真似して子供も曖昧な表現を使うようになってしまいます。
その中には家族や親戚には伝わる内容も、保育園・幼稚園などの外の社会では通じない事もあるでしょう。
その結果、癇癪を起したり、お友達とけんかしてしまう可能性もあります。
子供が正しく日本語を使えるように、手本となる親が正しく、わかりやすい表現を使いましょう。
お願いする時のNGワード
では、本題の子供へお願いする際のNGワードを紹介していきます。
抽象的で、使ってしまいがちな言葉を3つ、記載します。
こそあど言葉
「それ、取って」
「あっちにあるよ」
「これ、食べてね」
実は非常にあいまいな表現です。
先ほどの例でみると、具体的に「机の上のみかん」と限定して伝えないと間違えてしまうかもしれません。
「お片付け箱の中にあるよ」
「ハンバーグを食べてね」
といった様に固有名詞で示してあげた方がお子さんは迷うことが減ります。
また、上手く思い浮かばなくても色や形、素材で教えてあげましょう。
「あいさつしなさい」
意外に感じるかもしれませんが、「あいさつ」という言葉も抽象的です。
例えば、昼前に近所のお友達に会ったとしましょう。
その時の「あいさつしなさい」と言われても、子供の頭の中はこんな感じではないでしょうか?
- ランチ食べてないから、「おはようございます」かな?
- でも、「こんにちは」かな?
- この前、お菓子もらったから「ありがとう」かな?
あいさつもいくつかありますよね。
でも、子供はその場その場でどのあいさつを使えば良いか、わからないものです。
恥ずかしがって言えないお子さんも多いと思いますが、何を言えばよいか、わからない子もいるのではないでしょうか?
そういったときは
「お昼前だから、『おはようございます』って言えるかな?」
「お菓子のお礼で『ありがとうございました』って言おうね」
とわかりやすく伝える必要があるでしょう。
「よく考えて」
こちらも良く使っていませんか?
「考える」って実はかなり抽象的です。
予想する、想像する、計算する、情報を整理する…
大人でさえ、混乱してしまうような様々な意味を含んでいることがわかりますよね。
そもそも、「考える方法」を幼児は学んでいませんので、「考えよう」と言っても理解できません。
上記の場合はではこんな風に変えてみましょう。
- 予想→ 「この後、どうなるのかな?」
- 想像→ 「どうなると面白いかな?」
- 計算→ 「数えてみよう。」
いかがですか、わかりやすい表現ですよね。
こういった言葉により、子供は大人の思った様に動いてくれますし、本人も間違えずに行動できるので、達成感を得ることができると思います。
終わりに
本記事では子供へお願いする際には具体的な言葉を使うことが大切であることをお伝えしました。
意識していないと、子供に対して「よく考えなさい」と言ってしまいますよね。
しかし、ちょっとした工夫で大人もお子さんも上手に行動できます。
お子さんにお願いする時は、本記事で記載したワードを注意することで、ストレスなく会話していきましょうね。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
そんな皆さんに感謝します。