「ウサギとカメ」でカメが勝つ方法をコンサルしてみた
有名な童話『ウサギとカメ』から得られる学びは多いです。
しかし、そもそもカメが勝つ見込みの少ないウサギとの勝負を受けることに疑問を感じます。
童話では偶然勝てましたが、ウサギが寝るのを期待するなんて、有効な戦略とは言えないですよね。
そこで当記事ではカメがウサギに勝てる方法を検討してみます。
- ウサギとカメの童話をご存じの方
- カメのようにコツコツと頑張れる方
- ビジネススキルの事例を知りたい方
私は製造業で日々、問題解決に取り組んでいます。
今回はビジネススキルを使ってカメにウサギに勝つ方法をアドバイスしていきたいと思います。
問題解決の手順や陥りやすい注意点はこちらの記事に記載してあります。
まず、こちらに目を通していただけると、当記事の内容も理解しやすいと思います。
ウサギとカメの教訓
まず、有名な童話「ウサギとカメ」に触れておきます。
話の内容はご存じの方が多いと思いますので、ここでは得られる教訓について触れておきます。
よく言われている教訓は以下の3点です。
- 油断大敵
- 取り組みの目的を理解
- 勝負に徹する姿勢
順番に見ていきましょう。
油断大敵
ウサギはレースの途中で居眠りしてしまいます。その結果、負けてしまいますよね。
自分の足の速さを過信し、さらにカメの遅さを見下したことが原因です。
このことから、どんなに競争相手よりリードしていても、油断しないことの大切さを学べます。
取り組みの目的を理解する
この他にも「取り組みの意味を把握する」ということもです。
ウサギはレースで意識しているのは「カメ」ですよね。カメが遅れているのを見て、休みました。
一方、カメは「ゴール」を目標にレースに挑みます。その結果、勝負に勝ちました。
この意識の差が勝敗を左右したと捉えることもできます。
レースという勝負ごとの本質を理解する事の重要性を学ぶこともできますよね。
勝負に徹する姿勢
寝ているウサギを起こさず、カメはゴールを目指します。
その姿から、相手に情けをかけずに勝負ごとに徹する姿勢も教訓として捉えることができます。
この行動には賛否両論あると思いますが、勝負が必要になる時もあるので、抑えておきたい考え方ですよね。
問題の明確化(What)
では、この物語についてカメの立場に立った時の状況を考えてみましょう。
足の速いウサギに対して、そもそも勝つ見込みの薄い勝負に挑むことは効率的とは言えませんよね。冒頭に書きましたが、ウサギが寝てしまうことに期待するなんて、無謀と感じられます。
しかし、レース内容によっては十分に勝ち目を見出すことも可能です。
そのため、タイトルにあるように「カメがウサギに勝つための方法」を考えていきます。
なお、当記事ではカメはアカミミガメのようなリクガメを想定しています。ウミガメやゾウガメのような場合はレースも変わってくると思いますが、この点についてはご承知おきください。
状況の把握
では、カメがウサギに勝つための戦略を考えてみます。
そのためには相手や自分のことを知ることから始めましょう。
物語の環境を3C分析
まず、その両者の特徴を知るべく、カメから見て3C分析を行ってみましょう。
※)3C分析とはCustomer(市場・顧客)、Company(自社)、Competitor(業界・競合)という分類に分け、それぞれの特徴を抽出するフレームワークです。
ここではこんな感じで割り当ててみます。
- Customer⇒レース環境
- Company⇒カメ
- Competitor⇒ウサギ
そのレースという点に絞って簡単にまとめた表を下に示します。
カメがウサギに挑む環境として、陸上を選ぶのはとても不利であるということが言えます。
ウサギの土俵で戦っても、カメが勝つ確率は低くなってしまうことは誰でも想像がつくと思います。そのため、このかけっこで挑むというカメの行為は負け戦に挑むことと同じですよね。
両者をSWOT分析
特徴を洗い出すために、SWOT分析を行います。
※)SWOT分析とは強み、弱みを外部内部の側面から分析するフレームワークのことです。
カメのSWOT分析
まずは、カメの分析結果を示します。(参照:カメの雑学、カメという生き物)
特徴的な甲羅は体を守るためには有効ですが、その分、体の動きが遅くなることが欠点として挙げられます。
また、爬虫類なので、変温という点もカメにとっては不利かもしれません。
ウサギのSWOT分析
続いてウサギの特徴をSWOT分析から紐解いていきます。
ウサギは濡れても死ぬことはありません。しかし、濡れることを過度に嫌います(参照:動物愛護センター)。この点は弱点と言えるでしょう。
また、手足に肉球がありません。もし、飼うようなときはフローリングではなく、カーペットを敷く必要がありそうです。
SWOT分析からわかること
では、この分析から見える点をまとめてみます。
- カメは水中を泳げる
- ウサギは陸上では速いが、カメは遅い
- ウサギは濡れることを嫌うが、カメは問題ない
- 気温が低いとカメは動けない
- ウサギは草食、カメは雑食の種類もある
これらの点がギャップとなるので、その差を利用した戦略を構築するのが良さそうですね。
解決策を立案(How)
では、先ほど分析したウサギとカメの特徴から、勝つ方法を検討してみましょう。
両者のギャップから、カメの得意となる部分に着目してみましょう。
勝つ方法①泳ぎを加える
まず、すぐに思いつくのがカメが得意である泳ぎを加えるというレースです。
ウサギも種類によって泳ぐ場合もありますが、先ほどの分析のようにウサギは濡れることを嫌います。
このことから、川を渡るレースにする、もしくは潜る必要があるレースにすると、勝つ確率はかなり高くなると考えられます。
勝つ方法②時間のかかるレースにする
これは「寿命」という面に着目した方法です。
ウサギの寿命は15年程度、カメは100年以上も生きる種類がありますよね。童話で出てくる小さいカメでも20年近く生きます。
このギャップに着目して、「20年間の耐久レース」といった時間のかかるレースにすることも効果的です。
しかし、この場合、カメが勝ったとしても、ウサギが居なくなっている可能性が高いです。勝利は一人で喜ぶことになるので、知っておいた方がいいでしょう。
勝つ方法③カメが有利なレース環境を整える
どうしても陸上のレースで勝ちたいということであれば、環境を整えることが重要でしょう。
具体的には以下のようなレース環境を作り上げます。
- 昼間の時間に始める
- 滑りやすい床で行う
- ガンガンと音を鳴らす
- 雨降りの日にレースする
- 魚を食べるなどの障害物競争にする
- ウサギが初めての訪れる場所で競う
- キツイ臭いのする場所を通るレースにする
特に食べ物の違いに着目して、途中で「魚を食べる」といった工程を盛り込むと、ウサギに勝つことができるでしょう。
また、雨降りの日に勝負するのも良いと思います。濡れることをウサギは嫌う一方、カメは濡れていても問題ありませんからね。
自分の得意な分野で勝負しよう
当記事では「ウサギとカメ」でカメが勝つ方法を両者の特性を基に考えてみました。
- 物語から油断大敵、本質の理解、勝負に徹底を学べる
- 単純なレースではウサギがかなり有利
- 勝つ方法①:泳ぎを加える
- 勝つ方法②:時間がかかるレースにする
- 勝つ方法③:カメでも勝てる環境にする
今回はイソップ童話をモチーフにしました。
企業の戦略策定を利用したため、少し回りくどく感じるかもしれませんが、ウサギやカメの特徴を把握できたと思います。
カメのようにコツコツと努力することは非常に美徳とされています。あの故野村克也氏もそのことを強調しています(凡人の強み)。
しかし、その方向性を間違えると、どれほど時間を費やしても自分の夢や目標と達成できないと思います。
自分の強みと弱みを把握し、それに愚直に取り組むことで、ウサギにもきっと勝てる日が来るはずです。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
そんな皆さんに感謝いたします。
↓よくあるウサギとカメに飽きてきたら、アリが追加された本はいかがでしょうか?
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