共働きのご家庭も増える中で注目されている作り置き料理。
「週末に作り込みできると平日は非常に便利だ」ということはわかると思います。しかし、傷んでしまうことを気にする方が多いのも事実。
本記事では作り置きを1週間、日持ちさせるコツをまとめて紹介していきます。
- 作り起き料理で失敗してしまった方
- 興味はあるけど、日持ちできるか不安な方
- お弁当として持ち出す際の注意点を知りたい方
私は実際に5年間、会社のお弁当用に週末に作り置きを料理してきました。
今ではおから料理などの傷みやすい料理も1週間日持ちできるようになりましたので、本記事ではそのノウハウを惜しみなく、紹介していきます。
※)ご存知の点があれば、飛ばして読んで頂いてかまいません。
- 日持ちさせるために知っておきたいこと
- 調理前に抑えたい日持ちさせるコツ
- 調理中に気をつけたい日持ちさせるコツ
- 調理後にできる日持ちさせるコツ
- 作り置きをお弁当で持ち出す際の注意点
- 日持ちしやすいレシピ
- 作り置きにチャレンジしてみよう
日持ちさせるために知っておきたいこと
まず、コツを紹介する前に「料理が傷む」という点について知っておきたい知識を紹介します。
これを知っておくだけでも、作り置きを日持ちできるようになりますよ。
料理が「傷む」とは
作り置きに限らず、料理が傷むのは「料理に雑菌が入り込み、それが増殖する」からです。
つまり、日持ちさせるためには雑菌への対策が必要になります。
そのため、以下の2点を意識して調理しましょう。
- 雑菌を持ち込まない
- 雑菌が増えにくい環境を作る
いずれも雑菌に対することです。雑菌は目に見えませんが、これを意識するだけでも、作り置きが日持ちするようになりますよ。
日持ちできない理由
冷蔵庫で保存していた料理を傷めてしまったという経験は誰しもあるものです。このように日持ちしにくい理由はキッチンに雑菌が存在するからです。
ご自宅のキッチンでは完全に無菌な状態で調理することは難しいと思います。「いやいや、毎日掃除して清潔にしています!!」 とおっしゃるかもしれませんが、雑菌は目に見えない物です。
意外に多くの雑菌が残っており、食品メーカーの工場などに比べると、どうしても雑菌が料理に入り込みやすくなってしまいます。
しかし、大丈夫です。
本記事では作り置き料理が1週間、日持ちするためのコツを調理前、調理中、調理後と分けて説明していきますので、最後までご覧いただけると、ご家庭でも雑菌対策できるようになりますよ。
では、本題の日持ちさせるためのコツを説明していきます。
調理前に抑えたい日持ちさせるコツ
それでは本題。まず、作り置きを調理する前のコツを紹介していきます。
抑えておきたいのは以下の2点です。
- 食材選び
- 保存容器選び
それぞれ、見ていきましょう。
調理前のコツ①食材選び
1週間日持ちさせるためには食材選びから重要になってきます。
そのため、私は以下の食材はなるべく、使わないように心がけています。
- 傷んでいる食材
- 卵(鶏卵)
- 乳製品
これらの食材は調理前から、雑菌を含んでいるため、調理しても全てを取り除くことが難しいからです。
もちろん、これ以外にも雑菌を含んでいる食材は多いですが、上記の食材を作り置きに利用する際は特に注意が必要になるでしょう。
また、1週間で食べきる量を作りましょう。食べきれない量を作っても、傷めて捨ててしまうと、勿体ないので、品数を増やす際は注意しましょうね。
調理前のコツ②保存容器選び
作り置き料理では保存容器内で長時間、保存されることになります。冷蔵庫内でも雑菌は繁殖していきますので、その容器選びは1週間、日持ちさせるためには重要です。
では、保存容器の選ぶ基準を以下に示します。
- 食洗機対応
- 密閉度が高い
- 耐熱性が高い
特に食洗機対応の容器であれば、食洗機で熱湯を利用して洗浄するため、日持ちしやすくなりますよ。
この点を踏まえて、おススメする保存容器を種類別にまとめました。
ホーロー容器
金属の下地にガラス質の薬品を塗布し、焼き上げたもの。
メリットは以下の通り。
- 白色で清潔感
- 色映りや匂い移りしにくい
- 冷凍・オーブン・直火でも利用可能
表面がガラス質なので、色移りしにくく、長持ちします。また、ミートローフなどの料理を行い、そのまま容器ごと、保存できるというのもメリットですね。
一方、デメリットは以下の2点。
- 金属容器なので、電子レンジは不可
- 密閉度は低い
- 中身が見えにくい
特に中身がわからないので、ホワイトボード用マジックで中身を記入するなどの工夫は必要になります。
耐熱ガラス容器
耐熱性があれば、電子レンジも対応できるので、幅広く活躍します。
特徴はホーロー容器と同じく、以下の点が特徴です。
- 中身が見える
- 色映りや匂い移りしにくい
- 電子レンジ・オーブンでも利用可能
透明なガラス容器は中身が見えるというのはホーロー容器に無いメリットです。蓋を外せば、電子レンジも可能という点もうれしいところ。
では、デメリットは以下の2点。
- 密閉度は低い
- 冷凍には注意が必要
水分の多い料理の冷凍保存は容器が割れる可能性もあるので、ご注意くださいね。
耐熱プラスチック容器
幅広く使える耐熱プラスチック容器。
- 低価格
- 軽くて取り回ししやすい
- 透明な容器であれば、中身が見える
注意したいのは耐熱用の物を選んでほしいという点。食洗機対応であることを確認してから購入してくださいね。
一方、デメリット。
- オーブン不可
- 色移り・臭い移り有り
- 耐久性がない
柔らかく、変形しやすいので、蓋が閉まりにくくなることもあります。特に冷凍保存するような場合は雑に扱うと割れる可能性もあります。
ちなみに私は作り置き料理は全て、耐熱プラスチック容器を利用しています。
一方、ガラス容器やホーロー容器は揚げ物や手作り調味料、匂いの付きやすい料理を保存しています。
調理中に気をつけたい日持ちさせるコツ
続いて調理中に抑えたいコツです。当然ですが、日持ちさせるためには最も重要な部分ですので、覚えておきましょう。
- 清潔な調理器具を使う
- 野菜→肉、野菜の順で切る
- 十分に火を通す
- 皿に取って味見する
- 食材を一口サイズに切る
- 味は少し濃いめ
- 抗菌作用のある食材を利用
- 炒め物は水気を飛ばす
- 冷ましてから、冷蔵庫で保存
9つもありますが、中でも重要な点を3つ、簡単に説明していきます。
調理中のコツ①十分に火を通す
これは多くの方が理解できると思います。
十分に火を通し、食材の表面や食材内部の雑菌を殺菌することで完成した料理には雑菌が少ない状態にしましょう。
また、食材内部の水分を減らすことも雑菌の繁殖しにくい環境を作ることができますよ。
調理中のコツ②食材を一口サイズに切る
大振りな具材の中にはそれだけ水分が残ってしまうので、なるべく一口サイズに切りましょう。
雑菌を増殖させる水分は食材の内部に含まれます。
これは雑菌には適した水分なので、日持ちさせるためにはなるべく細かく切る、大きくても一口サイズにしましょう。
このことはレシピ本にはあまり記載されていないコツですが、実際に私は一口サイズに小さく切るようにしてから、作り置き料理を傷めることが減りました。
細かく切れば、それだけ火の通りも良くなるので、調理の時間も短縮できて一石二鳥ですね。
調理中のコツ③冷ましてから、冷蔵庫で保存
これも重要なポイントです。室温まで作り置き料理が覚めてから、冷蔵庫に保存しましょう。
調理中に水分を飛ばしても、冷まさずに保存すると、結露して容器に水分が付着してしまいます。また、揚げ物を調理する際は表面が冷めていても、内部に熱が残っている場合は、表面が結露してしまいます。
しかし、なるべく早く冷却したいですよね。
私はそんな時に下の写真のようにフライパンから直接保存容器に移すのではなく、一度、別の器に移して冷めたら保存容器に入れています。
→
別の器で5分 ⇒ 保存容器で室温まで冷却
保存容器に移す際に1段落させると、それだけでグッと温度は下がります。そして、5分ほど冷ましてから、保存容器に移して、室温まで下がったら冷蔵庫に保管しています。
手間に感じるかもしれませんが、基本的に冷却は放っておくだけでいいので、是非とも気を付けてくださいね。これだけで結露はかなり抑えられますよ。
調理後にできる日持ちさせるコツ
料理が傷まないように保存容器や食材に気を配り、丁寧に調理したとしても、取り分けの際に雑に扱ってしまうとせっかくの作り置きが台無しになってしまいます。
そのためにも調理後のコツとして以下の5点は気を付けましょう。
- 清潔な箸を利用
- 野菜から出た水分は取り除く
- 結露で発生した水分を取り除く
- 必要な分のみ取り出す
- 食べる前に電子レンジで加熱
中でも水分に注目して、2点について説明していきます。
調理後のコツ①野菜から出た水分は取り除く
調理後に野菜から出てきた水分は、必ず取り除きましょう。
繰り返しになりますが、雑菌が好むのは水分です。
作り置きを日持ちさせるためにはこの野菜から出てきた水分を取り除き、雑菌が繁殖しにくい環境を維持しましょう。
また、水分が出てきやすい野菜(なす、トマト、玉ねぎ、もやしなど)を使った場合は、水分を吸ってくれる具材(主に乾物)を入れるのも良いですね。
実際に私が使うのは以下の4つ。
- かつお節
- わかめ
- ごま
- 乾燥バジル
和風な料理にはわかめやかつお節、洋風な料理にはバジル、と言った感じで使い分けると良いと思いますよ。
特にバジルは抗菌作用もあるため、作り置き料理には最適です。
調理後のコツ②結露で発生した水分を取り除く
水分は野菜内部だけでなく、結露によっても容器内部に発生しますので、こちらも取り除きましょう。
室温まで冷えた料理を冷蔵庫へ入れたとしても、結露はついてしまいます。この結露は冷蔵庫に入れた直後につくことが多いため、調理から数時間たった後に取り除けば、その後は結露することは少ないですよ。
この結露、ふき取りやすい容器の蓋だけでなく、容器の壁もキッチンペーパーや清潔な布巾でふき取りましょう。
調理後の保存、取り分けのコツの記事はこちらです。
今回紹介した2つ以外にも気になるところがあれば、合わせて確認してみてくださいね。
作り置きをお弁当で持ち出す際の注意点
ランチの食費を抑えるために、お弁当用として作り置きを調理する方も多いと思います。私もそのために作り置き料理を作っています。そのメリット・デメリットはこちらの記事にまとめています。
お弁当として外に持ち出す際は注意がさらに必要です。外気で温度が上がり、雑菌が増殖してしまうからです。そこでおススメの対策をまとめました。
- 汁に浸かっている具材は水気を切る
- お弁当箱に詰める前に加熱する
- 加熱後は十分に冷やす
- 抗菌作用のある食材を入れる
- 保冷材を入れて温度を上げない
一つずつ、見ていきましょう。
汁に浸かっている具材は水気を切る
煮物などの「汁」には塩分や糖分、お酢などが含まれています。汁ごと保存することで雑菌への日持ちしやすくなります。
そういった場合、お弁当に詰める際は水気を切ってくださいね。
お弁当箱で他のおかずに水分が付かないようにすることで、食中毒の防止につながります。
また、おかずカップを使うことで他のおかずに水気が付かないようにするのもOK。
お弁当箱に詰める前に加熱する
繰り返しになりますが、冷蔵庫内でも雑菌は繁殖します。
作り置きは数日、保管される中で雑菌も増えているため、先ほども触れたように持ち出す際は一度、電子レンジで加熱しましょう。
手で持てないほどに加熱することで一度、雑菌をリセットできますよ。
加熱後は十分に冷やす
冷やさない状態でお弁当箱に詰めてしまうと、温度が高いままなので、雑菌が繁殖してしまいます。
また、蒸気が料理を傷めてしまうので、室温まで冷やしてから、お弁当に詰めましょう。
抗菌作用のある食材を入れる
お弁当箱に詰める際に抗菌作用のある食材を入れるのも効果的です。
特に料理が傷みやすい夏場は以下のような食材がいいですよ。
- 青しそ
- パセリ
- 梅干し
おかずには以下のように添えるだけで色味を追加できるので、彩という面でもおススメです。この時はしその葉を「仕切り」として使い、パセリを彩として入れました。
このパセリや青しそは水洗いした後の水気が残らないようにふき取ってから使いましょう。
青しそやパセリは家庭菜園で栽培するのがおススメです。
場所を取らない方法で、マンション・アパート住まいでも可能な方法はこちらに記載しています。
保冷材を入れて温度を上げない
雑菌が繁殖する10℃を越えないようにしましょう。
夏場などはお弁当箱に保冷材をつけて持ち出すことも一つの方法です。
また、水筒も一緒に持っていく方は水筒に氷を入れてお弁当箱と一緒に持ち出すことで水筒を保冷材代わりにすることもおススメです。
実際に私も水筒を保冷材代わりにして、夏場を乗り切っています。
日持ちしやすいレシピ
ここまで、日持ちするためのコツを紹介してきましたが、具体的に日持ちするレシピを続いて紹介します。
そもそも、日持ちしやすいレシピの特徴は以下の2点を満たしていると思います。
- 味が濃くても良い料理
- 野菜が少ない主菜
この点を抑えたレシピを続いて紹介していきます。分量は1週間を想定して5食分で記載しています。
豚のしょうが焼き
お弁当に限らず、定番の料理ですよね。
味付けに使うしょうがは抗菌作用もあるので、日持ちしやすくなります。
豚肉の種類は何でも構いませんが、一口サイズに切って調理すると、さらに傷みにくくなりますよ。
『材料』
豚ロース薄切り肉 500g
タマネギ(千切り) 1個
小麦粉 大さじ1
★おろししょうが 大さじ2
★醤油 大さじ2
★酒 大さじ2
★みりん 大さじ2
サラダ油 大さじ2
【作り方】
①豚肉を一口サイズに切り、小麦粉をまぶす
②玉ねぎは電子レンジで600w3分
③フライパンで豚肉を炒める
④豚肉が色付いたら、玉ねぎをフライパンに加える
⑤★を加えて水気がなくなるまで炒める
鶏肉の照り焼き
低価格でたんぱくな鶏肉料理。こちらも十分に味付けをすることで日持ちしやすくなります。
お酢も抗菌作用を持っているので、こちらも日持ちしやすい料理です。
一口サイズに切ることで仲間でしっかり火を通し、内部に余分な水分が残らないようにしましょうね。
『材料』
鶏むね肉 500g
片栗粉 大さじ4
★醤油 大さじ2
★酒 大さじ2
★みりん 大さじ2
★酢 大さじ2
サラダ油 大さじ4
【作り方】
①鶏むね肉を一口サイズに切り、片栗粉をまぶす
②フライパンで鶏肉を炒める
③色付いたら、ひっくり返し、★を加えて中火で炒める
④水気がなくなるまで炒める
タラのムニエル
抗菌作用のあるパセリやバジルなどの香草と一緒にムニエルにするのもおススメです。
特にタラなどの淡白な魚は塩で味付けを濃くできるので、そういった点でも日持ちしやすくなると思いますよ。
『材料』
タラ 500g(5切れ)
小麦粉 大さじ2
乾燥バジル 大さじ2
塩コショウ 適量
しょう油 小さじ2
バター 10g
サラダ油 大さじ2
【作り方】
①タラをぶつ切りにして塩コショウと乾燥バジルをまぶし、2,3分置く
②小麦粉をまぶす
③フライパンで片面3分くらいずつ焼く
④バターとしょう油を加え、水気がなくなるまで炒める
ここでは主菜となる料理を3品、紹介しました。いずれも炒め料理なので、水分を飛ばすことを意識しましょう。
調理に慣れてきたら、野菜を含んだ副菜も作っていき、1週間で食べきる範囲で徐々に品数を増やしてみてくださいね。
昆布豆
副菜として1品作りたいときには温野菜もおススメです。電子レンジで出来上がる1品として昆布豆を紹介します。
私も大豆水煮はよく利用しますので、手順や分量は参考にしています。
『材料』
大豆水煮 200g
昆布 20cm
砂糖 大さじ2
しょう油 大さじ3
水 200cc
【作り方】
①昆布は水(分量外)に浸して、キッチンバサミで1cm角に切る
②材料全てを合わせて、レンジで600W12分
③粗熱が取れたら、汁ごと保存容器に移し、完全に冷めたら冷蔵庫で保存
非常に簡単に出来上がる温野菜についてのメリットや注意点、ちょっとした工夫で日持ちするようになるコツを紹介しています。
簡単にできるレシピも調理時間10分以下のレシピを3つ載せていますので、こちらも参考にしてくださいね。特にこの記事は温野菜の調理法として検索上位に表示されるほど、注目してもらっている記事です。
作り置きにチャレンジしてみよう
週末に作り置き料理を調理しておくと、その一週間がかなり楽に過ごせます。
私自身もお弁当用に作り置きを始めてから、それは身をもって感じていますし、そのためにも日持ちするための工夫を5年間も続けてきました。
本記事で紹介したノウハウはそれぞれ難しいことではなく、また、どれかが抜けてしまうと、途端に日持ちしなくなる、というものでもありません。自分の可能な範囲で取り入れてみてくださいね。
最後に私が参考にしてきた書籍を紹介しておきます。
こういったレシピ本は何冊も読む必要はなく、1冊でも十分に活用できると思います。
共にお弁当用に特化した作り置き料理の本ですが、夕食にも活用できる部分が多く、どちらか1冊あるだけで重宝しますよ。
「作り置き」では誰もが知っているたっキーママの書籍。
1時間に10品以上作るための調理法が載っているため、品数を増やしたい方にはおススメです。
お弁当用に朝詰めるだけ、という作り置きならではのレシピ本。
副菜のレシピもレンジ、浸け置き、和え物と調理法によって分類されているので、読みやすいですよ。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
そんな皆さんに感謝いたします。
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