住宅ローンの繰上返済で損しないための借入金利は?
2019年10月の消費税増税前に住宅を購入した方も多いのではないでしょうか?
多くの方が住宅ローンを組んでいると思います。
ローンの利息軽減に着目すると、繰上返済した方が得ですが、住宅ローン控除の額が減ってしまうので、悩む方も多いかもしれません。
住宅ローン控除が1.0%なので、借入金利も1.0%以下なら、繰上返済しなくても良いと考える方もいらっしゃると思いますが、間違いですよ。
本記事では損しないためは繰上返済のタイミングと住宅ローン控除額の借入金利の基準をお伝えしていきます。
- 繰上返済で損したくない方
- 繰上返済したことのない方
- 住宅ローンの借り換えを検討中の方
- 住宅購入し、初めての年末を迎える方
- 借入金利が1%以下で繰上返済していない方
私は毎年1月に繰上返済していますが、その金利の基準も述べていきます。
特に住宅ローンの借り換えを検討している方は金利については知っておいて損はありませんよ。
住宅ローン控除と繰上返済
まず、住宅ローンを繰上返済という物を触れておきます。
「知っているよ」という方は読み飛ばしてもらって構いません。
住宅ローン控除
年末の住宅ローン残高の1%が控除され、控除されたお金はそのまま戻ってきます。
例を挙げると、3000万円の借り入れ金があれば、その1%である30万円です。
控除対象となる重要な条件は以下のとおり。
- その年の所得が3000万円以下
- ローンの借入期間が10年以上
年間所得3000万以上の方は限られてくるので、ここではローン借入期間が10年以上ということを覚えてもらえれば、十分です。
実際にはこの他にも細かい条件がありますので、詳しくはこちらを参照くださいね。
また、2019年10月〜2020年12月31日に入居した場合、住宅ローン控除を受けられるの期間は10年→13年に延長されています。
11年目から13年目の期間における控除額は以下の2つの内、少ない額になります。
- 借入残高の1%
- 建物購入価格の2%÷3
以下の記事にて詳細が載っていますので、対象となる方は参考にしてください。
繰上返済
銀行からの借り入れ金が3000万円であっても、返済金は利息が入って約3500万円に増えてしまいます(35年ローン、利息1%)。
繰上返済することで借り入れ金の元本を減らせるので、その分の利息を減らすことが可能です。
繰上返済の方法は2種類あります。
- 返済額軽減型:返済期間は変わらず、月々の返済額を減らします。
- 期間短縮型 :月々の返済は変わらず、返済期間が短くなります。
利息の軽減という点だけをみれば、期間短縮型のほうが有利です。
また、変動金利でローンを組んでいる方は今後、利息が上がる可能性もありますので、返済期間の短縮を目的として繰上返済する場合もあります。
繰上返済で損しないためには?
では本題、住宅購入後の10年間における繰上返済で損しないために知っておきたいことをお伝えします。
具体例を交えながら、繰上返済のタイミングと借入金利について紹介していきますね。
繰上返済のタイミング
繰上返済は年明け1月に行いましょう。
これは年末のローン残高の1%が住宅ローン控除として戻ってくるからです。
具体例で示しますね。
12月に3000万円の住宅ローン残高があった場合
- 3000万円 × 1% =30万円
住宅ローン控除では30万円戻ってきます。これはわかりますよね。
しかし、12月に繰上返済してしまうと100万円をくりあげてしまうと
- (3000万円 - 100万円) × 1% =29万円
住宅ローン控除は29万円と、繰上返済分を控除でもらえません。
そのため、12月にボーナスが出たとしても、少し待って繰上返済は年明け1月に行いましょうね。
繰上返済の金利の基準
続いて、金利の基準について説明します。
住宅ローンの借入金利0.88%以上の場合は繰上返済しましょう。
これは借入金利は毎月の残高にかかるのに対して、住宅ローン控除は年末残高のみにかかるからです。
特に住宅ローンの借り換えを検討している方は、この点を十分考慮しましょう。
この金利の基準に関してはこちらの記事でも紹介されています。
シミュレーション結果
では実際にシミュレーションして説明していきます。
条件はわかりやすく以下のように設定します。
- 借入 :3000万円
- 元利均
- 返済頻度:毎月、ボーナス払いなし
- 返済期間:35年
- 繰上返済の種類:期間短縮型
- 繰上返済有り→借入10年間、毎年1月に100万円返却
- 繰上返済無し→借入10年後に1000万円返却
繰上返済による利息の軽減額から住宅ローン控除の縮小額を差し引くと、以下の通り。プラスであれば、繰上返済の利息軽減により、お得になるということです。
- 金利0.70%:-108,726
- 金利0.88%: -8,283
- 金利0.90%: +3,206
- 金利1.00%: +61,673
返済開始した月などで多少ばらつきますが、借入金利が0.88%以上であれば、繰上返済したほうが利息の軽減額が大きく、お得だとわかります。
「自分の場合が気になる」、という方は以下のサイトから算出できますよ。
あえて繰上返済しない場合
また、繰上返済も必ず、実施すれば良い訳ではありません。
先ほど示したように住宅ローン控除を受けるためには借入期間が10年以上であることが前提です。
そのため、期間短縮型において繰上返済し過ぎて、借入期間が10年を割った場合は控除が受けられなくなります。
返済できるけれども、あえて返済しないことで控除を受けるというのも、賢く返済していくためには必要です。
例を挙げてみます。以下の条件で考えてみましょう。
- 借入 :3000万円
- 元利均
- 返済頻度:毎月、ボーナス払いなし
- 返済期間:35年
- 繰上返済の種類:期間短縮型
- 借入金利:1.00%
年間の返済額が約102万円なので、借入10年以内にローン残高が1,020万円を下回ると控除対象から外れてしまいます。
毎年300万円ずつ返済した場合、5年後に年末のローン残高が1019万円となり、控除をうけられないので、4年後の繰上返済は額を280万円と減らすことが賢い選択です。
様々なケースがありますので、上記のシミュレーションにてご自身の場合で確認してみましょう。
損しない繰上返済をしよう
本記事では住宅ローンの繰上返済で損しないためのコツをお伝えしました。
- 1月は繰上返済の最適時期
- 繰上返済の基準は金利0.88%以上
住宅は人生で最も高価な買い物と言われますが、その返済には苦労するものです。
繰上返済は無理のない範囲で行うことが大前提ですが、繰上返済でそのローン残高が大きく減っていくと、それが節約のモチベーションになるので、それが楽しみになることもあります。
住宅購入後の10年間は繰上返済や住宅ローン控除で損しないためにも、金利0.88%以上であれば、年明け1月以降に繰上返済していきましょう。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
そんな皆さんに感謝いたします。
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