ねこバスに乗れる方法を劇中から模索してみました
皆さんもご存じの『となりのトトロ』に出てくるねこバス。
モフモフした座席や道路状況によらない走行機能、伸縮で通れるドアなど、多くの魅力が詰め込まれていますよね。
では、どうすれば、乗ることができるのでしょうか?
当記事では劇中に登場した場面から、ねこバスに乗るための方法を検討してみます。
- トトロに限らず、ジブリが好きな方
- 子供のような純粋な心を持っている方
- ビジネススキルの例を知りたい方
私は製造業で日々、問題解決に取り組んでいます。
今回はビジネススキルを使ってねこバスの登場シーンを細かく分解していきたいと思います。
※)記事内にネタバレのような記載がありますので、まだ作品をご存じでいない方はご注意ください。
問題解決の手順や陥りやすい注意点はこちらの記事に記載してあります。
まず、こちらに目を通していただけると、当記事の内容も理解しやすいと思います。
「となりのトトロ」とは?
となりのトトロは1988年に公開されたジブリシリーズを代表する作品です。
多くの方がご存じと思いますが、まずはその作品とねこバスについて触れておきます。
となりのトトロという作品
母親の療養のために自然豊かな農村に引っ越してきたサツキとメイが不思議な動物「トトロ」との出会いと交流を描く物語です。
映画の観客動員数は約80万人。鬼滅の刃の2600万人に比べると、大きく劣るようにも感じます。
しかし、金曜ロードショーでは2021年1月現在では17回も放送されていることから、長い期間、幅広い年齢層から愛され続けていることが見て取れますよね。
劇中のクライマックスにて、行方不明になったメイを探し出し、サツキとの感動の再会を演出したのがねこバスです。
今回はこの印象的なねこバスに乗る方法を模索していきます。
ねこバスとは?
ねこバスは元々「化け猫」がモデルのようです。
ギョロっとした目や12本もある足など、見た目も決してかわいいものではありませんよね。
その特徴の一つでもある行先の表示はメイを探す場面では以下のように変化していきます。
『塚森』→『長沢』→『三ツ塚』→『墓道』→『大社』→『牛沼』→『めい』
サツキとメイの再開の後、メイがトウモロコシをお母さんに届けたかったという会話を聞き、2人を病院まで届けてくれます。ここでの表示は「院」の字が逆さになることでも有名ですよね。
『七国山病院』
ちなみにこのシーンから、ねこバスは日本語を理解できると予想されます。
最後に家に戻るので、このように表示されます。
『す』
サツキとメイを自宅に送り届けた後のネコバスの行き先表示板に、何が書いてあるかご存知ですか? 書いてあるのは…「す」。サツキとメイの大冒険を見届けたネコバスは、この後自分の巣に戻っていくんですねー
— アンク@金曜ロードSHOW!公式 (@kinro_ntv) 2016年11月4日
😆❤️ #ネコバスの巣 #となりのトトロ #kinro pic.twitter.com/UHxErbyuYK
ねこバスに乗れる定員数
劇中、ねこバスがトトロを乗せて走っていきますが、その点からねこバスに乗れる人数を考えてみます。
重さという観点で考えてみると、トトロの体重は以下のようです。
重さ:2.5~14t
引用:こちら
つまり、これを元に考えると、少なくともねこバスは大人40人以上は運べると考えられますよね。
以上、ねこバスの紹介でした。
問題の明確化(What)
今回はすでに「ねこバスに乗るためには?」と明確にされていますので、その方法を考えてみます。
前提条件として以下の部分はご理解いただきたいと思います。
- 作品の時代設定が昭和30年前後なので、現在2021年とのギャップがある点をご理解ください。
- 登場シーンは2回のみなので、情報が少なく、再現性・信頼性は保証できません。
- 「三鷹の森ジブリ美術館」に行けばいい、という現実的な解は避けていきます。
今回は仮説という形になりますが、その検証が困難であることもご理解いただいたうえで、ご覧ください。
では、開始しましょう。
状況の把握
今回は劇中にねこバスが出てきた場面を基に「帰納法」にてその共通因子を洗い出してみます。
※)帰納法はいくつかの事象を並べ、その共通因子から大前提を導き出す手法です。
シーン①雨の夜のバス停
ある雨の日、サツキとメイはお父さんのお迎えに近くのバス停まで、傘を持って迎えに行きます。
その時、ずぶ濡れのトトロが隣に出現し、サツキが渡した傘で遊んだ後にねこバスで帰っていきます。
このとき、サツキとメイはトトロにねこバスに乗るように勧められますが、ここでは断ります。
これは非常に不思議なシーンです。しかし、この出会いがあったからこそ、次のシーンでねこバスに乗ることができたと考えられます。
シーン②メイを探し出す
行方不明のメイを探すためにサツキはトトロに会いに行き、助けを求めます。
その気持ちに応えたトトロはねこバスを呼び、サツキをメイのところに運んでくれるのです。
感動のシーンですが、こちらのシーンにも様々な情報が読み取れます。
登場シーンの共通項は?
では、これらのシーンから登場した状況における共通点を洗い出してみましょう。
共通項①トトロが呼ぶと出現する
いずれもトトロが大声で呼ぶことでねこバスが出現します。
このことから、ねこバスに乗るには、まずトトロに会うことが必要と考えられます。
共通項②雨は上がっている
雨のバス停のシーンでは、雨が降っていますが、トトロのジャンプ後、雨が止みます。続いて、大声でねこバスを呼びます。
この行為から、トトロはねこバスを呼ぶために雨を止めた、つまり、ねこバスは雨が嫌いということが推測されます。
実際に下の記事のように、猫は水を嫌がる性質があるようです。
乗っている状態で体を震わされたら、乗り物酔いしてしまいますから、これは乗客の立場としても必要な要素と言えるでしょう。
共通項③夕暮れ時~夜
2つのシーンは日中ではなく、日が落ちてきた時間帯です。
元々、ねこは夜行性であることから、この時間帯ということもねこバスに乗るためには大切かもしれません。
また、メイが初めてトトロに会うのは日中ですが、ねこバスを呼んではいません。トトロも眠そうにしていますよね。
そのため、トトロやねこバスは夜型であることが考えられます。
不要事項
続いて、2つのシーンから、共通点ではない部分は偶然の産物として除去していきます。
靴
サツキに注目します。
バス停では靴を履いていましたが、メイを探す際には靴は履いていません。
つまり、靴の有無は関係ないということです。
「乗りたい」という気持ち
メイが行方不明になり、精神的にも疲れ切っているサツキがトトロに「会いたい」と願い、最終的にはトトロに会うことができます。感動的なシーンですね。
しかし、バス停のシーンではメイもサツキも「トトロに会いたい」、「ねこバスに乗りたい」という気持ちは持っていなかったと思います。実際にサツキはトトロの誘いを断って、ねこバスには乗りませんでしたよね。
このことから、非常に残酷ではありますが、この「乗りたい」という気持ちも不要ということが言えるでしょう。
解決策を立案(How)
では、先ほど分析した結果から、登場するための方法を具体的に考えてみましょう。
登場シーンの分析から、ねこバスを探すのではなく、トトロに会うことが必要であることが分かりました。
そのため、ここではトトロに出会う条件とその方法を劇中から探っていきましょう。
条件:子供であること
こちらは大前提であることから、多くの方に理解いただけると思います。
しかし、この点は重要なので、少し深堀していきますね。
大人は出会えない
エンディングテーマの『となりのトトロ』では「子供の時にだけあなたに訪れる不思議な出会い」とあることから、大人ではトトロに会えないというのはあまりにも有名な話ですよね。
実際に劇中でも、最後にメイを探すためにトトロがねこバスを呼ぶシーンにて、サツキが「みんなには見えないんだわ」と言っています。
そのため、大人ではトトロに会うこともねこバスに乗ることも不可ということです。読者の皆さんの期待を裏切る結論で申し訳ありません。
カンタのばあちゃんは小さい頃に見えていた
トトロとは異なりますが、まっくろくろすけをカンタのばあちゃんも小さい頃には見えていたようです。
引っ越してきた後、サツキとメイの足が真っ黒になったことから、ススワタリの話題になり、こんなことを言っています。
ばあちゃん「小ちぇー頃には、わしにも見えたが…そうか、あんたらにも見えたんけぇ。」
この体験談からも子供の時は見えていたが、大人になると見えなくなってしまうということが裏付けされています。
※)なお、引っ越してきた時点で、サツキがまっくろくろすけを認識できたかどうかはわかりません。ここでは、見えていなかったとして論理を展開していきます。
カンタには見えていない
では、子供って何歳まで?ということです。労働基準法によると「15歳に達した日以後の最初の3月31日が終了するまでの者」とありますが、その後でばっさり会えなくなるというのは少し考えにくいと思います。
ここで注目したいのが、カンタです。
先ほど触れたように、最後にねこバスが登場するシーンでは「みんな」にその姿が見えていないようです。その中にはカンタも含まれます。
つまり、カンタにはねこバスが見えていません。
全ての子供が会えるわけではない
また、メイがサツキの学校に来て、一緒に授業を受けるシーンにて、メイのトトロの絵を見たみっちゃん(サツキの友達)はこんなことを言います。
みっちゃん「なあに、それ?」
メイ「トトロだよ。」
サツキ「シーッ… おとなしくしてなきゃ、ダメでしょ。」
このやり取りから、みっちゃんはその年になるまで、トトロを見たことが無いということもわかります。
以上のことから、子供であることは必要条件ですが、それは一つの条件にすぎないということが読み取れます。
元々、サツキもトトロには会えませんでしたよね。しかし、最後はトトロに会うことができています。
つまり、劇中の何らかの変化・出来事によって、トトロに会うことができたと推測できます。
そのため、続いて出会うための方法を考えていきます。
方法①夜にバス停でトトロを待ち伏せする
先ほど子供というだけでは会えないということに触れました。
ここで、雨のバス停のシーンを振り返ります。ずぶ濡れになりながらも、バス停に登場したトトロからあの場所は定期的に通っていたのではないかと推測されます。
バス停である以上、人間が乗り降りする場所ですが、まずトトロに会うには子供だけでこのバス停で待ち伏せすることが効果的であると考えられます。
ただし、これは運も必要でしょう。
それはメイが初めてトトロに会った後にお父さんとサツキを連れて行ったシーンからも想像できます。
メイ「ウソじゃないもん。」
お父さん「うん。お父さんもサツキも、メイがウソつきだなんて思っていないよ。メイはきっと、この森の主に会ったんだ。それはとても運がいいことなんだよ。でも、いつも会えるとは限らない。」
つまり、これもあのバス停ではトトロに出会える可能性がありますが、必ず会えるとは限らないということのようです。
方法②純粋な心を持つ
先ほど、「会いたい」という気持ちは不要としましたが、この純粋な気持ちは持っている必要があると思います。
メイが初めてトトロに会ったシーンも、最後のサツキがトトロに助けを求めるシーンも2人とも純粋な心を示していることから、会うことができたと受け取れます。
これは条件の「子供であること」にも似ていますが、常識などではなく、目の前のことを素直に受け入れる心が無いといけません。だからこそ、カンタには見えなかったのではないでしょうか?
方法③トトロにGiveする
何のこと?ということですが、これが最も重要だと考えられます。
その理由について、再度エンディングテーマの『となりのトトロ』の一文を見てみます。
だれかが、こっそり、小道に木の実うずめて
小さな芽、生えたら、秘密の暗号
森へのパスポート
・・・
雨降り、バス停、ずぶ濡れお化けがいたら
あなたの、あまがさ、さしてあげましょう
森へのパスポート
参照:『となりのトトロ』
つまり、雨のバス停にて傘をさしてあげることや、そこでもらったドングリの実を庭に埋めることでトトロへGiveしたこともその後も会えた要因の一つと考えられます。
人間は恩を受けた時にその恩を返さなければならないという、心理が働きます。
トトロが同様とは思いませんが、サツキのGive精神に対し、森へのパスポートを渡したのだろうということが推測されます。
そのため、3つ目の方法として、「トトロにGiveすること」を挙げました。
こんな時代だからこそ、トトロを観よう
当記事では「となりのトトロ」に登場するねこバスに乗るための方法をその登場シーンを基に考えてみました。
- ねこバスに乗るには、トトロに会おう
- 雨が降っていない夜が良い
- 条件:子供であること
- 方法:バス停でトトロを待ち伏せる
- 方法:純粋な心を持つ
- 方法:トトロにGiveする
今回はビジネススキルというより、登場シーンの共通項から、ねこバスに乗る方法を見出してきました。
大人になると、常識的に物事を考えてしまうため、トトロに会うことは難しいかもしません。しかし、大人になった今だからこそ優しい気持ちになれるこの作品は今一度、目を通しておきたいですよね。
その中でこの記事で紹介したねこバスに想いを馳せていただけるなら、こんなうれしいことはありません。
ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
そんな皆さんに感謝いたします。
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